その日、ケイトさんは空港の出発待ちのバーで、一人涙を流していました。

 
少し前に自殺したご主人の遺灰を巻く場所を探すため、ロサンゼルスからオークランドへ移動しようという矢先…

彼女は、空港のセキュリティチェックに引っかかってしまったのです。

 
当時、ニューヨーク同時多発テロの直後ということもあり、警備は厳戒態勢。

そうした状況ゆえに、スタッフから伝えられた言葉は…

遺灰を、その場で放棄する必要がある。

 
最終的に死亡証明書を警官に提示し、何とか持ち込みを許可されたのですが、たくさんのショックが重なり、ケイトさんは悲しみに打ちひしがれていました。

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そんなとき…、彼女の肩にふと誰かの手が乗せられ、聞き覚えのある優しい声が耳に飛び込んできます。

すみません。

あなたのことが心配になったもので。

 
お一人でご旅行されているようですし、さっきの一件も偶然ずっと見ておりまして。

本当に大丈夫かなと思いまして…。

 
そこに立っていたのは



あのロビン・ウィリアムズさんでした。

 
ケイトさんは信じられないながらも、出会ったばかりの彼に、必死でいきさつを話します。

すると、ロビンさんはさらに優しい口調で、彼女に語りかけました。

中毒症状は本当につらいものです。

心の病気は、あらゆる生きづらさの原因となります。

ご主人が感じた苦しみも、あなたの現在の苦しみも、本当にお気の毒です。

 
しかし、あなたには、ご家族もお友達も、そして愛もあるように見受けられます。

それはあなたにとって、とても素敵なことなのではないでしょうか。

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その後、ロビンさんはケイトさんを搭乗ゲートまで連れて行くと、彼女と一緒の飛行機に乗り込んだそうです。

彼は、ゲートまでの道すがら、ずっと私を笑わせようとしてくれました。

通りかかる人のマネをしてみたり、私のことを通過させなかったセキュリティチェックの人をからかったり…。

でも、決して嫌味な感じではないんです。

 
そして彼は、私の笑顔がとても素敵だと言ってくれたんです。

 
別れ際にロビンさんは、ケイトさんを優しくハグしてくれました。

その姿は彼女の目に、絶望のどん底から救い出してくれる、天使のように映ったことでしょう。

 
2014年8月、ロビンさんは63歳の生涯を閉じました。

死因は自殺だったといわれています。

 
彼自身も、痛みを抱えていたのかもしれない…。

悲劇から2年が経ったとき、ケイトさんは様々な想いから、それまで誰にも明かしていなかったこの話を公表することにしたそうです。

 
生前、絶えず退役軍人や病気で苦しむ子どもたちの側に寄り添っていたというロビンさん。

その温かい人柄に触れるエピソードに、胸が熱くなります。

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